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【現地レポート】タイグエン洪水の爪痕と、立ち上がる住民たちの姿

  • 執筆者の写真: KAISEIWORLD
    KAISEIWORLD
  • 10月11日
  • 読了時間: 3分

更新日:10月18日

2025年10月11日 — ハノイ・ベトナム

住宅街に流れ込んだ泥を掃除する住民たち(写真:KAISEIWORLD)
住宅街に流れ込んだ泥を掃除する住民たち(写真:KAISEIWORLD)

9日夜から10日にかけて北部タイグエン省を襲った豪雨により、大規模な洪水が発生した。地元当局によると、約20万戸の住宅が浸水し、数千人が避難を余儀なくされた。


泥まみれの街で進む復旧活動

冠水被害を受けた小売店の様子(写真:KAISEIWORLD)
冠水被害を受けた小売店の様子(写真:KAISEIWORLD)

10月11日午前、KAISEIWORLD取材チームは北部タイグエン省(Thái Nguyên)に到着した。前日までの豪雨で多くの地域が冠水したが、11日正午時点では水はすでに引いていた。


しかし、道路には泥の山が残り、建物の壁には水位の跡がくっきりと残っていた。市内では、住民たちが自宅や店舗の掃除に取り組む姿が各所で見られた。店の前では泥をかき出し、家具を天日干しにしている人々の姿があった。バイク修理店の前には泥にまみれたバイクが何台も並び、整備士たちが手際よく修理を進めていた。


タイグエン市中心エリアでは停電が続き、一部の飲食店や小売店は営業再開に至っていないものの、街の様子は徐々に日常を取り戻しつつある。


街の一角では、軍隊が折れた木々の回収や道路の整備を行っていた。重機が動き、ボランティアの若者たちが泥を運ぶ姿も見られた。この光景は、街が復旧に向けて着実に動き出していることを象徴している。

取材中、住民は掃除や修理作業に取り組みながらも笑顔を見せ、洪水の被害から立ち上がろうとする力強さと前向きな雰囲気が感じられた。


子どもたち無事も教室は水没

成人男性の背丈ほどまで達した水位の跡(写真:KAISEIWORLD)
成人男性の背丈ほどまで達した水位の跡(写真:KAISEIWORLD)

ある女性に案内してもらい、経営する英語教室と自宅を見せてもらった。


英語教室では、洪水は夜間に発生したため、子どもたちは教室におらず全員無事であった。しかし、授業で使用するタブレットやモニターは完全に水没した。教室内には、大人の男性の背の高さを超える位置まで泥水が達していたことを示す跡も残っており、当時子どもたちが教室にいたことを想像すると恐ろしい。


教室の裏にある自宅にも案内してもらったところ、庭先には泥まみれの家具や食器、衣類が散乱していた。9日夜、水が部屋に迫った際、家具をすべて屋内から出そうとしたが、水の勢いが強く作業は困難であったという。

また、ふと2階を見上げると高齢女性が部屋から手を振っていた。後から確認すると、彼女は足が不自由で、普段過ごしている1階の部屋も浸水したため、上階に避難していた。



街にはまだ洪水の痕跡が見られるが、住民や地域の人々、支援に入る軍隊やボランティアの努力によって、少しずつ日常が戻りつつある。被害の大きさはあるものの、人々の前向きな姿からは、復旧への希望が感じられる。


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